96の日記

気になった作品や生活のことを。

ビル・エヴァンスをゆっくり聴く映画

お題「ゆっくり見たい映画」

 

こんばんは。96です。

 

ゆっくり見たい映画といったらどんなものを浮かびますか。

 

私が今日思い浮かんだのはジャズ・ピアニストのビル・エヴァンスの人生と音楽を描いた

こちらの作品です。

 <Time Remembered: Life & Music of Bill Evans>

ビル・エヴァンスの演奏、とくに一緒に演奏したミュージシャンとの関わりが強く描かれています。

 


Bill Evans - Waltz For Debby

ジム・ホールのインタビューやマイルス・デイビスとの演奏の記録。ワルツ・フォー・デビイという曲ができるまでの姪のデビイの証言。家族の証言も胸につまされるものがあります。

 

若くしてジャズ・ピアノで活躍したビル。薬物との関わりもまた色濃く描かれています。恋人のエレインの死や兄の病気なども彼の人生に強く影響したものでしょう。

 

一貫して静かなムードで描かれる作品で、当時のジャズシーンを垣間見えるような内容もとても端正でよかったです。

 

 

もともとクラシックからはいったというビルですが、いろんなジャズアーティストと演奏を重ねていくうちに自らのスタイルを確立していきます。

と同時にヘロインなどの薬物も乱用するようになり、一時はリハビリのかいあって薬物から脱するのですが、また使用をかさねます。

 

時間をかけた自殺ともいわれるビルの生涯。

 

しかしその静かに情熱的な演奏は、ひとの心をうつ演奏です。

 

白人であった彼が、当時のジャズシーンで黒人のなかにまじって演奏することも、とてもたいへんだったのではないかとも思います。

 

そういえばこの映画には出てきませんが、ジャズギタリストのパット・マルティーノも白人で黒人のハーレムにて演奏を重ねたと言われています。70年代でしょうか。

Mac Toughという曲はジャック・マクダフという黒人のジャズオルガニストへ向けて演奏したそうです。


Pat Martino - Mac Tough

 

...全然演奏はビルとちがうんですが、思いっきり扇情するような色気に満ちたjazz演奏というより、ある種都会的な冷たさというか個人的にはちょっと機械的なところも好きで、あとパット・マルティーノは生きています。

 <Live at yoshi's>

 音楽家の人生もほんとに様々ですね。もちろん人生をあまり気にしないで演奏を聴くのも楽しいです。作品は作品、としてみられるのもアーティストの特権ですね。

また人生を垣間見てもすごくファンになれることもあると思います。逆に嫌いになることもあるかもしれません。それだけ、強い惹きつけるものがあるからアーティストは演奏しているのでしょうか。